花粉症ⅱ

花粉症のみなさんはいかがお過ごしでありましょうか?
■花粉を家に持ちこまないコツ
自宅内は、実はかなり油断しがちな場所かもしれません。外ではマスクをしていても、家の中では外すという方もきっと多いのではないかと思います。
しかし外出後に体や持ち物に付着した花粉を処理しなければ、お部屋の中に花粉をご招待しているようなもの…。マスクなしでは丸腰同然で、特に朝起きた瞬間にくしゃみが止まらず、くしゃみがあいさつ代わりになっちゃうんですよね~。

■三原則:つけない・落とす・固める
PGジャパン」の資料によると、花粉を家に持ちこまないための三原則として、つけない・落とす・固めることが重要なのだそう。
1.つけない
ナイロンやポリエステルなど、花粉がつきにくい素材の服を着たり、静電気防止剤や、衣類をなめらかにする効果のある柔軟剤をつかうのも効果的とのこと。
1.
落とす
みなさんは、花粉を落とす際にどこをどのように払っていますでしょうか?
ズバリ、一番花粉が付着しやすい部位は「髪の毛」だったんですね~。
しかし、パンパンはたいたり、そのまま払い落とすだけでは、花粉が舞ってしまってこれまた逆効果に陥りやすく始末が悪いわけです。
そこで「花粉は水分に付着する」という性質を利用していきます。
濡らしたタオルでささっとふき取るだけでも全然違うわけなのですが、濡れた新聞紙を玄関に展開しておき、そこに向けて払い落すのも効果的なんだそうです。
ただし、花粉をふき取ったタオルだったり、濡らした新聞紙は、乾く前に洗ったり、廃棄してしまいましょうね。
1.
固める
とはいえ、完全に部屋に花粉を持ち込まないようにするのは、かなり神経が必要ですし、花粉症じゃないご家族なんかは堂々と上り込んできてギャーっとなることも少なくありません。『ファブリーズ・ハウスダストクリア』など、花粉を固めて抑えこんでくれるような花粉対策グッズをかしこくつかうのも手です。

■花粉症が治るかもしれない?!
不治の病のように言われてきた花粉症ですが、新薬「シダトレンスギ花粉症舌下液」(以下、シダトレン)が今年1月に厚生労働省に認可されたことで治療できる病になったと評判なんだそうです。(この前、「ホンマでっか!?」でも話題になってたヤツですね!)
シダトレンを使用した舌下免疫治療法で、手順はエキスをベロの下に垂らすだけです。注射や処方箋などと違い副作用もなく、医者に通わなくても行うことができます。
そして何より驚異的なのはその効果!
日本医科大学付属病院耳鼻咽喉科教授の大久保公裕教授によると、舌下免疫療法は治験の段階で全体の約8割の患者の症状が改善され、約2割は症状がきれいさっぱり無くなったというのです。
2011年から自由診療で舌下免疫療法を導入した「ゆたクリニック」院長の湯田厚司氏もその効果を次のように語っております。
「年間100人弱の患者さんの臨床をしていますが、およそ8割の方に効果があり、うち半分には大きな効果があります。完全に症状がなくなったという人も2割います。効果がなかった方も12割いますが、全体から見て少数です」

また利用者のお声を聴いてみましょう!
「長い間花粉症に苦しんでいたので、エキスを舌の下に垂らすだけの治療なんて信じられませんでした。でも最初は舌に感じた軽い痺れもすぐになくなり、服用はとても楽。症状も治療を始めて3か月くらいの去年の春の時点でかなり収まりました。毎年顔がグショグショになるのに、鼻水が少し出るくらいだった。今年も少し鼻がムズムズしますが、このまま続ければ全く気にならなくなるんじゃないかと期待しています」

また、このお答えいただいた利用者の家族からは「別人になったみたい」といわれるそうなんですね。
こんな夢のような話を聞くと、花粉症に苦しむ身としてはすぐにでも試してみたくなっちゃうんですが、残念ながら、この記事を読んですぐ病院に駆け込んで治療、とはいかないみたいです。舌下免疫療法には、現在のように大量のスギ花粉が舞っている花粉症シーズンには治療を開始できないという難点があります。
「舌下免疫療法の大きな特徴は、アレルギー症状がないときに始める治療法であることです。なぜなら、花粉シーズンの最中は日常的に花粉を吸い込み続けており、体はわずかな抗原にもアレルギー反応を起こしやすい。この状態で舌下免疫療法を開始すると、すでに体が過敏な状態になっているために、症状が悪化してしまいます。

これを避けるため、治療を開始するのは花粉シーズンが過ぎてからになります。例年は、秋から開始する人が多いですが、シダトレンが6月に登場するため、今年は花粉シーズンの終了直後から治療の申し込みが増えるかもしれません」(大久保公裕教授)
そもそもこの薬は、一般的に2年ほどの長期的な服用計画を前提としているそうです。

「人によって違いますが、治療の効果が出るには2年ほどかかると考えられていますので継続が大事です。1年目で全く効果がなかったのに、2年目に大きな効果が出る人もいます。また、1年目で効果があった人の78割はその後の症状もかなり改善されました。なかにはもう5年以上も花粉症の症状が出ていないという患者もいます」
気長に継続していくことがカギのようですが、とても興味深い治療法ですよね!